高校教育費の内訳と対策~無理なく積み立てる3つの秘訣とは~

子育てとお金

子どもの教育は親にとって最大の投資と言われますが、その負担は決して軽いものではありません。

特に高校教育においては、義務教育を終えた後の3年間で予想以上の出費が待ち受けています。

本記事では、高校教育にかかる費用の実態から対策まで、家計を守りながら子どもの教育を支えるヒントをご紹介します。

高校教育費の総額目安 – 3年間でいくらかかる?

高校3年間の教育費総額は、公立高校で約150万円、私立高校では約400万円と言われています。

この金額は、文部科学省の「子供の学習費調査」や日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査」などのデータを基にしていますが、地域や学校のタイプ、部活動、学校外教育費によって大きく異なることがあります。

2025年度からは無償化により授業料が無料となりました。(私立の支援額増額は2026年から)

しかし、授業料以外の費用も含めると、3年間で決して少なくない金額となります。

特に注目すべきは、高校入学時にかかる初期費用です。入学金、制服、教科書・教材費、通学用品など、入学前後の数ヶ月間に集中して費用が発生します。

この時期の出費は公立でも30〜50万円、私立では50〜100万円に達することもあり、家計への負担が一気に高まります。

高校の教育費の内訳

高校教育費の内訳は以下のようになっています。

ただし、学校や部活動、習い事、塾の選択・内容によって大きく変動するため、目安と考えてください。

また、上記理由により、すべての費用がかかるわけではないため、表の数字を単純に合計しても総額費用にはなりません。

項目公立高校私立高校
授業料無償実質無償~50万円/年※2026年度以降
入学金約2~5万円約10~30万円
施設設備費約3~5万円/年約10~20万円/年
教科書・教材費約5~10万円/年約8~15万円/年
制服・体操服等約10~15万円約15~25万円
通学費約0~18万円/年約0~20万円/年
部活動費約5~25万円/年約15~40万円/年
修学旅行・行事費約15~30万円(3年間)約20~40万円(3年間)
学校外教育費(塾・予備校)約0~60万円/年約0~60万円/年
大学受験費用約50~100万円約50~100万円
3年間総額(平均)約150万円約400万円

授業料・入学金・施設費などの基本費用

入学金は無視できない出費です。

公立では数万円程度ですが、私立では10〜30万円が一般的です。

また、施設設備費として公立で年間5〜10万円、私立では10〜20万円程度が必要となります。

さらに学校によっては、PTA会費、生徒会費、後援会費など様々な名目で追加費用が発生することがあります。

これらは一見少額に思えますが、積み重なると年間数万円の負担になることも珍しくありません。

教材費・制服・通学費用

教科書代は公立・私立ともに年間1〜2万円程度ですが、問題集や参考書、ノートなどの学習教材を含めると、年間5〜10万円ほどになることがあります。

特に受験対策を視野に入れた進学校では、学校指定の教材も多く、その分費用がかさみます。

制服は入学時の大きな出費項目です。

男子で3〜6万円、女子で5〜8万円が相場で、私立や伝統校ではさらに高額になることがあります。

夏服・冬服に加え、体操服や上履き、通学かばんなども含めると、トータルで10万円を超えるケースも少なくありません。

通学費用は住居と学校の距離に大きく左右されます。

徒歩や自転車で通える場合はほとんどかかりませんが、電車やバスを利用する場合、月額5,000円〜15,000円程度の負担が3年間続きます。

年間にすると6〜18万円、3年間では18〜54万円にもなります。

塾・習い事・部活動費用

高校生になると、大学受験を視野に入れた学習塾や予備校に通うケースが増えます。

塾の費用は週の通塾回数や受講科目数によって異なりますが、月額1〜5万円、年間12〜60万円の幅があります。

特に受験直前の高校3年生では、夏期講習や冬期講習、模試などの費用も加わり、年間100万円近くになることも珍しくありません。

部活動費用も侮れません。運動部では、ユニフォームや専用シューズ、用具などの初期費用に加え、大会参加費や遠征費、合宿費などが発生します。

文化部でも楽器や専門用具、コンクール参加費などが必要です。部活動の種類や活動レベルによって差はありますが、年間10〜30万円程度かかるケースが一般的です。

また、英検やTOEICなどの資格取得、ピアノやスポーツなどの習い事を続ける場合は、それらの費用も別途必要となります。

修学旅行・行事関連費用

修学旅行は高校生活の思い出として重要なイベントですが、費用面では大きな出費となります。国内であれば7〜10万円、海外の場合は15〜25万円程度が一般的です。

その他、体育祭や文化祭、遠足、芸術鑑賞会など、様々な学校行事にも費用が発生する場合がありますこれらを合計すると、3年間で15〜30万円程度になることもあります。

大学受験費用 – 見過ごせない負担

高校生活の大きな目標の一つである大学受験には、多くの追加費用が発生します。

特に受験直前の高校3年生では、教育費が大幅に増加する傾向にあります。

受験対策費用

大学受験のための対策費用は主に以下のようなものが挙げられます。

予備校・塾の費用:受験対策のための予備校や塾の費用は、通学頻度や講座数によって大きく異なりますが、月額2〜7万円が一般的です。特に夏期講習や冬期講習では、集中的な学習のために追加で10〜20万円程度かかることもあります。

模擬試験費用:大手予備校や進研模試、河合塾模試などの模擬試験は、1回あたり3,000〜5,000円程度で、年間5〜10回受験するケースが多く、合計で15,000〜50,000円の負担になります。

参考書・問題集:受験勉強用の参考書や問題集は、科目数や難易度にもよりますが、総額で3〜10万円程度の出費となります。

受験直接費用

受験料:大学入学共通テスト(旧センター試験)の検定料は18,000円です。さらに、志望する大学ごとに個別の入学検定料がかかります。国公立大学では17,000円程度、私立大学では30,000〜35,000円程度が一般的です。複数の大学を受験する場合、これらの費用が積み重なります。

交通費・宿泊費:地方の高校生が都市部の大学を受験する場合、交通費や宿泊費も大きな負担となります。往復の交通費と宿泊を含めると、1回の受験につき2〜5万円程度かかるケースもあります。

合格後の初期費用

入学金・授業料前納金:合格後、大学入学までの間に入学金や前期授業料などの支払いが発生します。国公立大学では約80万円、私立大学では文系で約100万円、理系で約120万円程度が必要となります。医学部などの特殊な学部ではさらに高額になります。

住居費用:自宅から通えない大学に進学する場合、入学前に賃貸の敷金礼金、家具・家電などの購入費用など、初期費用だけでも50〜100万円程度が必要になることがあります。

大学受験に関わる総額は、模試や予備校などの対策費用で30〜100万円、受験料で5〜20万円、合格後の初期費用で80〜200万円以上と、家庭によっては高校3年間の教育費と同等かそれ以上の金額になることもあります。

早めの資金計画と、無理のない受験校選びが重要です。

教育費を軽減する支援制度と奨学金

高校教育費の負担を軽減するための公的支援制度や奨学金は年々充実してきています。

ここでは主なものをご紹介します。

高等学校等就学支援金制度

国の「高等学校等就学支援金制度」は、家庭の教育費負担を軽減するための重要な制度です。

2025年度からは大幅な制度改正が実施され、公立高校については従来あった年収910万円という所得制限が撤廃され、すべての世帯で授業料が完全無償化されます。これにより、所得に関わらずすべての家庭が公立高校の授業料負担から解放されることになります。

さらに、私立高校についても2026年度から大きな改善が予定されています。支援額が現行の年間39万6000円から45万7000円に引き上げられるとともに、公立高校と同様に所得制限が撤廃される予定です。これにより、より多くの家庭が私立高校も選択肢に入れやすくなります。なお、2025年度は公立と同等の118,000円の支援となります。

高校生等奨学給付金

生活保護世帯や住民税非課税世帯を対象に、教科書代やクラブ活動費など授業料以外の教育費を支援する制度です。年間数万円の給付金が支給され、返済の必要はありません。

各種奨学金制度

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は大学生が対象として知られていますが、高校生向けの奨学金も提供されています。

また、地方自治体や民間団体が独自に設けている奨学金制度も多数あります。

これらの奨学金には、返済不要の「給付型」と、卒業後に返済が必要な「貸与型」があります。近年は給付型奨学金が拡充される傾向にありますが、依然として貸与型が主流です。

教育ローン

公的な教育ローンとしては、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」があります。民間銀行の教育ローンと比べて金利が低く、返済期間も長めに設定されていることが特徴です。

年収制限がありますが、多くの家庭が利用できる条件となっています。

また、最近では民間銀行の教育ローンも充実してきており、様々な商品が提供されています。

これらを利用する際は、金利や返済条件をしっかり比較検討することが大切です。

学校独自の支援制度

特に私立高校では、学校独自の授業料減免制度や特待生制度を設けているケースが多くあります。

入学試験の成績や在学中の学業成績、スポーツや文化活動での優れた実績などを条件に、授業料の一部または全部が免除されます。

これらの支援制度は、申請しなければ受けられないものが多いため、積極的に情報収集し、条件に該当する場合は必ず申請するようにしましょう。

学校の説明会や入学案内、ウェブサイトなどで確認するとともに、直接学校に問い合わせることも重要です。

家計に優しい教育費の計画と貯蓄方法

高校教育費の負担に備えるためには、早めの計画と着実な貯蓄が欠かせません。

ここでは、効果的な教育費計画と貯蓄のポイントをご紹介します。

なお教育費のため方の詳細についてはこちらでも紹介しています。

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早期からの計画と貯蓄

教育費の準備は、子どもが小さいうちから始めることが理想的です。

特に学資保険や教育費積立は、長期間にわたって少しずつ積み立てることで、無理なく大きな資金を用意することができます。

一般的な目安としては、子どもが生まれたときから毎月1〜2万円を積み立てると、高校入学時には180〜360万円程度の資金が準備できます。

これは公立高校であれば3年間の費用をほぼカバーし、私立高校でも大きな支えとなる金額です。

教育資金の貯蓄手段

教育資金を貯める手段としては、学資保険、教育積立定期預金、投資信託、つみたてNISA(少額投資非課税制度)など様々な選択肢があります。

特に「学資保険」は教育費準備の定番として人気がありますが、近年の低金利環境では預貯金と大差ない利回りになっているケースも少なくありません。

一方で、満期時に確実に一定額が受け取れる安心感や、親に万一のことがあった場合の保障機能は大きな魅力です。

資産運用の知識と経験がある方は、積立投資信託やNISAを活用することで、より高いリターンを目指すことも選択肢となります。

ただし、投資には元本割れのリスクもあるため、教育費の全額を投資に回すのではなく、安全資産と組み合わせたバランスの良いポートフォリオ構築が重要です。

教育費専用の口座を作る

日常の支出と教育費を明確に区別するために、教育費専用の口座を作ることをおすすめします。

毎月の収入から一定額を自動的に教育費口座に振り替える「積立自動振替」を設定しておけば、無理なく継続的に貯蓄することができます。

税制優遇制度の活用

「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は、祖父母から孫への教育資金の贈与に対して、1,500万円までの贈与税が非課税となる制度です。

対象となる教育費の範囲は幅広く、高校の授業料だけでなく、塾や習い事、留学費用なども含まれます。

三世代で教育費を支え合う選択肢として、祖父母の資産活用と若い世代の教育費負担軽減を同時に実現できる制度と言えるでしょう。

中学生の子供を持つ親のための高校教育費貯蓄戦略

中学生の子供がいる場合、高校入学まで1〜3年程度の短期間しかありませんが、この期間でも効果的な資金準備は可能です。

以下に最適な方法を解説します。

短期間での集中的な貯蓄

高校入学までの期間が限られているため、毎月の貯蓄額を多めに設定する必要があります。例えば、公立高校なら月3万円程度、私立高校なら月8〜10万円程度の貯蓄が理想的です。

これは家計に大きな負担となりますが、以下の方法で工夫することができます。

  • 家計の見直しによる支出削減(固定費の見直し、不要なサブスクリプションの解約など)
  • ボーナスの一部を教育費として積み立てる
  • 臨時収入(副業、還付金など)は全額教育費に回す

安全性重視の金融商品選択

入学まで1〜3年という短期間では、元本変動リスクの低い金融商品を選ぶべきです。

  • 教育費専用の普通預金口座(ネット銀行の金利が高めのものがおすすめ)
  • 1年物または2年物の定期預金
  • 短期の教育積立定期預金

この期間では、株式や投資信託などのリスク資産は避けるべきです。

市場変動で元本が減少するリスクを取る余裕がありません。

まとめ – 子どもの未来のための賢い投資

高校教育費は決して軽くない負担ですが、子どもの可能性を広げるための重要な投資でもあります。

本記事でご紹介した内容を参考に、ご家庭の状況に合わせた教育費計画を立て、子どもの未来のために賢い選択をしていただければ幸いです。

特に重要なのは、早めの準備と情報収集です。高校入学の数年前から計画的に資金を準備するとともに、学校の説明会や教育費セミナーなどに積極的に参加し、最新の情報を入手することをおすすめします。

また、子どもとも教育費について話し合い、家庭の経済状況に応じた進路選択を一緒に考えることも大切です。教育費の負担は大きいものの、様々な支援制度や工夫によって軽減できる可能性があります。子どもの夢と家計のバランスを取りながら、最適な教育環境を選択していきましょう。

子育てとお金に関する情報を以下にまとめています。

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